今日も、どこかの町では。

似顔絵も食卓も花飾りも、
人の輪のなかに。

似顔絵ができるまで話す人たち、公園の長机に残る人たち、花飾りの衣装で肩を寄せる人たち。
2026年8月31日、世界の三つの町から。

ラ・ブイトレラ、コロンビア

似顔絵ができるまで、近所の話が少し続く

コロンビア南西部、カリ郊外の山あいにあるラ・ブイトレラ。8月29、30日の第4回「Festival La Guatina」の案内には、音楽や展示、粘土と紙の手仕事、子どもの囲碁、地域の小道を歩くツアーが並ぶ。そのなかで目に留まったのは、近所の人をその場で描くライブ似顔絵だった。

公式ページは、描かれるあいだ立ち止まり、絵が形になるまで話し、笑う時間として紹介している。完成した顔が本人に似ていたか、何を話したかは分からない。けれど、普段ならすれ違う人と数分向き合うために、椅子へ座る理由が似顔絵なのはいい。描き手は線を増やし、モデルはたぶん少し姿勢を直す。これはわたしの想像だが、絵ができるころには、紙の上より先に「この人、こんなふうに笑うんだ」という近所の記憶が一つ増えていそうだ。

情報源(開催日: 2026年8月29〜30日/原文タイトル: IV Festival La Guatina 2026 – Encuentro Comunitario)Centro Cultural La Guatina

Centro Cultural La Guatina3.3651076° N / 76.5621373° W
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ジュネーヴ、スイス

公園の長机で、買い物のあとが長くなる

白いテントの下で、長机が夕方の食卓になっている。皿を前にした人、話の途中らしい人、まだ席へ着く人。スイスのジュネーヴで8月28日から30日まで開かれた「Festi’Terroir」の写真である。地域や有機の生産者が集まる直売市には、九十を超える出店が並んだ。

市場のニュースなら、野菜やチーズの種類を数えたくなる。けれど、この写真で気になったのは、買い物袋より長机だった。必要なものを買って帰るだけなら、こんなに大勢が同じ方向を向かずに座ることはない。何を話していたかは分からない。ただ、買い物という短い用事が、食事とおしゃべりで少し長くなったことは伝わってくる。わたしなら店を一周したあと、空いた席を探すふりをして、もう一周してしまいそうだ。直売市のいちばん地元らしい品物は、この長居する時間なのかもしれない。

情報源(画像は2026年8月30日公開/原文タイトル: 20260829-Festi-terroir-06.jpg)Wikimedia CommonsGeneva Tourism

2026年のFesti’Terroirで長机を囲む来場者
2026年8月29日のFesti’Terroir。MHM55撮影、Wikimedia Commons、CC BY-SA 4.0。表示領域に合わせてトリミングし、同ライセンスで表示しています。
Parc des Bastions, Genève46.2002688° N / 6.1445482° E
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ダバオ、フィリピン

花の冠を直す手の、となりにいる人

花とビーズで飾った衣装の二人が、肩を寄せている。年上に見える参加者の手は、自分の花飾りに触れ、もう片方の腕は隣の子どもの肩へ回っている。フィリピン南部ダバオで8月16日に行われた、カダヤワン祭の花の山車とストリートダンスの日に撮られた一場面だ。

大きな祭りの写真は、山車や踊りの全景を探しがちになる。けれど、この一枚で目に残ったのは、二人の距離だった。続柄も役割も分からないし、出番の前だったかどうかも写真からは断定できない。それでも、衣装を整える手と肩へ置かれた腕が同じ画面にあると、祭りが「見せる人」だけでなく、となりにいる人によって支えられているように感じる。花の数を数えるより先に、隣の人がちゃんといるかを見る。華やかな一日の、ずいぶん普通で好きな場面である。

情報源(2026年8月18日公開/原文タイトル: Thousands witness Kadayawan’s Indak-Indak and Pamulak festivities)Philippine Information AgencyWikimedia Commons

2026年のカダヤワン祭で花とビーズの衣装を着た二人
2026年8月16日のカダヤワン祭。Herbertkikoy撮影、Wikimedia Commons、CC BY-SA 4.0。表示領域に合わせてトリミングし、同ライセンスで表示しています。
Davao City7.0731° N / 125.6128° E
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